こんにちは。日本オートキャンプ協会でキャンプのインストラクターをしているキャンプ大好きCAMPION(Follow @beautifulrice1)です。
みなさんは家族で新幹線に乗るとき、自由席を利用しますか?それとも指定席ですか?
わたしの場合、オフシーズンは自由席、オンシーズンは指定席を利用することが多いです。
オフシーズンに自由席をえらぶのは、自由席のほうが値段も安く、その場の状況にあわせて座席をえらべるからです。
反対に、混んでいるオンシーズンに指定席をえらぶのは、そもそも座席の選択肢が少なく、自由席のいす取りゲームで勝ちのこるが大変だからです。
フリーサイトと区画サイトのどちらをえらぶかの判断も、これと似ています。
キャンプに行く時期、値段、期間などを考えて、どちらにするか使いわけてます。

このページでは、そのうちフリーサイトにスポットを当て、その「特徴」「サイトえらびの注意点」「実際に行ったフリーサイト」について紹介します。
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フリーサイトの特徴
「フリーサイトの特徴は?」と聞かれて、なにを思い浮かべますか。
「フリー」という名前から、わたしはまっさきに自由を思い浮かべます。
どこにテントを張るのか、どんなレイアウトにするのか、フリーサイトはすべてが自由です。
また、区画サイトとちがい、まわりが区切られていないので広いことも特徴の1つですね。
くわえて、価格も区画サイトとくらべると、安いことが多いです。
自由
フリーサイトはキャンプ場から指定されたエリア内であれば、どこにテントを立てても、どこにタープを張ってもかまいません。
「何をどうやって配置しようかなぁ」「このスペースをどうやって活用しようかなぁ」とキャンプ脳を刺激してくれます。
ぬり絵をぬるのではなく、真っ白なキャンパスに絵を描く感覚に似ていますね。
けど、わたしたちは道徳の授業でならいました。自由には責任が伴うことを。
選択肢が多すぎると人は迷います。これはフリーサイトでキャンプをするときも同じです。
その意味で、フリーサイトの自由を満喫するには、ある程度の知識と経験が必要といえます。
広い
フリーサイトは広いです。
物理的にも、精神的にも開放感にあふれています。
区画サイトのようにまわりを柵でかこまれていないので、スペースを広く使えます。動物でいうと放し飼いです。
極端な話、フリーサイトの左端にテントを立てて、右端にタープを張ってもいいわけです。
あまりに不便なので、そんなことをする人はいませんが。
安い
あくまで比較の話ですが、区画サイトとくらべて安いです。
放し飼いで好きにやってくださいということなので、管理の費用がそれほどかかってないのかもしれません。
ホテルのなかでキャンプ、設営から食事まですべてがついてくるグランピングと至れり尽くせりの高額キャンプとくらべたら、その差は歴然。
安くて気軽に始められるのがキャンプのいいところ。
庶民のレジャーというキャンプの性格からすると、フリーサイトの価格帯は安心できます。
気をつけるべき点
でも、いいことばかりではありません。フリーサイトならではの気をつけないといけないところもあります。
早いもの勝ち
自由にテントを張れるということは、早いもの勝ちということです。
チェックインに出遅れると、テントを張るスペースが少なくなってしまいます。
長期連休の場合、初日にチェックインしないと思うようにテントを張れません。
当然、条件の良いエリアから埋まっていきます。
残されたエリアは条件が悪く、スペースの形もいびつだったりします。
いす取りゲームに負けないスタートダッシュが必要です。
はげしい車の往来
車の横付けOKのフリーサイトの場合、車はどこでも通れます。
思わぬところから車が乗り入れてくることもめずらしくありません。
キャンプ場内を徐行するのはキャンパーの常識ですが、常識を知らない人、常識を守れない人も一定数います。
薄暮と言われる日没前の時間はとても危険です。
特に、小さいお子さんがいる場合は細心の注意が必要です。
車も子どもも予想外の動きをすれば、悲しい結果が待っています。
車の横付け禁止
キャンプ場によっては、車の横付けを禁止しているところもあります。
そういうキャンプ場では、駐車場からサイトまでキャンプ道具を運ばなければいけません。
駐車場からの距離、キャンプ道具の量によってはかなりの重労働です。
また、テントの横にある車を荷物の仮置き場として使うこともできません。
「念のため持っていく」という優柔不断は、じぶんの首を絞めることになります。
設営や撤収の直前・直後には、長距離移動がセットのはず。
若さを過信せず、体力を温存しながら楽しみましょう。
ただ、横付け禁止も悪いことばかりではありません。
サイト内に車が入ってこないので、車を気にせずキャンプを楽しむことができます。
サイトえらびの注意点
じゃあどうすればいいのか?
わが家がどんなふうにフリーサイトを攻略し、キャンプを楽しんでいるのか。
ポイントは3つです。
- 早めにチェックインをする
- 平らな場所をえらぶ
- トイレ・炊事場・遊具に近い場所をえらぶ
早めにチェックインをする
好みのサイトをえらべるように、とにかく早くチェックインします。
アーリーチェックインができるキャンプ場なら、かならずアーリーチェックインをします。
休みが取れれば1日前倒しでチェックインだってしちゃいます。
同じお金を払うなら、じぶんでえらんだサイトで楽しくすごしたいじゃないですか。
そのためには、すべてのスケジュールを調整して、すこしでも早くチェックインできるようにしています。
出遅れ組の様子を見るたびに、どんなことがあっても早くチェックインしたほうがいいなと毎回思うのです。
平らな場所をえらぶ
テントを張るのは平らな場所にかぎります。
中には気にしない人もいるみたいですが、わが家は平らでないと落ち着いてすごせません。
すこしの傾斜であればすぐに慣れますが、これも個人差があるので、平らであることに越したことはありません。
居心地の他にも、雨対策としても平らであることは重要です。
雨対策の「平ら」は、「ななめではない」という意味ではなく、「くぼんでいるところがない」という意味です。
キャンプ場の天気は変わりやすいので、急な大雨が降ることも日常のことです。
雨水が流れ込み、水没してしまっては大変です。
完全に平らなスペースを見つけることは不可能ですが、テント部分だけでも平らな場所を確保したいと思っています。
長い時間をすごすスペースが平らでないと、かなりのストレスを感じるはずです。
トイレ・炊事場・遊具に近い場所をえらぶ
うちは、長女が7歳、次女が4歳の4人家族(年齢は執筆時点)。
キャンプを始めた3年前とくらべて大きくなってきたとはいえ、まだまだ手がかかります。
トイレも、一人だけで完結というわけにはいきません。「おトイレ!」の申告も、親の希望時間より5分くらいは遅いです。
次女に関して言うと、抱きかかえてトイレに駆け込むこともよくあります。
こんなチーム編成なので、トイレ・炊事場・遊具に近い場所をえらびます。
重要設備に近いエリアは、人通りが多いので落ち着かない面もありますが、背に腹は代えられません。
次女が小学生の高学年になるくらいまでは、近場をえらぶことになるでしょう。
実際に行ったフリーサイト
これまでテーマパークと一緒になっているようなキャンプ場から自然ゆたかなキャンプ場まで、いろんなキャンプ場に行ってきました。
じぶんがそのキャンプ場の観光大使になったつもりで、これまで行ったフリーサイトをPRします。
サイト数の少ない順に紹介します。
くわしい体験記やキャンプ場の設備に関する情報は、関連記事のリンクをクリックしてみてください。
皇海山キャンプフォレスト(群馬県沼田市)

星空フリーサイトのサイト数は12。
スタッフがキャンプ力を高めてくれるキャンプ場です。
知識、経験が豊富なだけでなく、キャンパーをサポートするマインドにあふれたスタッフがたくさんいます。
テントをしわなく張る方法を教わったのも皇海山キャンプフォレストでした。
星空フリーサイトは収容サイト数が最大12に制限されています。そのため、こじんまりとしていますが、1家族あたりのエリアは広く、のんびりすごせます。
区画サイトに近いプライベート感を味わえるフリーサイトです。
公園もあり、ピザ作りやビンゴ大会などのイベントも充実し、子どもにはたまらない空間です。



ソレイユの丘(神奈川県横須賀市)

収容サイト数は25。
遊園地も公園もあり、子どもたちはキャンプどころではなくなってしまうキャンプ場です。
一面に広がる菜の花畑も圧巻です。菜の花の香りをはじめて知りました。
ソレイユの丘では、いかに風と仲良くするかに尽きます。これまで何度か遊びに行きましたが、風が弱かったことなんてほとんどありません。
テントが破れてしまったことすらあります。
防風林としての木を味方につけ、風の影響を考えた場所えらびをすることを忘れないでください。
風さえ攻略できれば、お酒を飲みながら富士山、海や月を鑑賞できるはずです。
かなり予約が取りにくいので、予約争奪戦には心して臨んでください。

東京ドイツ村ジージの森ファミリーキャンプ(千葉県袖ケ浦市)

収容サイト数は30。
ドイツよりも広いんじゃないかと思わされるキャンプ場。
なんといってもドイツ村は芝生が魅力。
はだしでかけ出したくなるくらいきれいな芝生です。
子どもたちは当然はだしで遊んでますし、わたしもこっそりはだしで遊んでしまいました。
大の字になって寝転んで空を見上げてみてください。空の色をよく見てください。最高ですよ。
キャンプ場をかこむようにしてドイツ村のテーマパークがひしめきあっています。
遊園地、公園、動物園、収穫体験ができる農園などいろいろ。
無料であそべるところもたくさんあるので、うまく活用してください。
暑さでぼーっとしていると、有料エリアで散財するはめになりますよ。

パラダキャンプ場(長野県佐久市)

収容サイト数は50。
高速道路の出口(佐久平スマートインター)から5分、ふらっと行けるキャンプ場です。
残念ながら車の横付けができません。
そのため、駐車場に近いエリアはとても混雑します。
静かなキャンプをしたいならがんばって駐車場から歩きましょう。
駐車場、トイレ、炊事場、管理棟へのアクセスを優先するなら、「静か」はあきらめないといけません。
「週末、ちょっとキャンプにでも行こうか?」そんなノリを受け入れてくれるキャンプ場です。

マザー牧場オートキャンプ場(千葉県富津市)

収容サイト数は60。夏しか営業してません。
ゆるゆるとした時間をすごせるキャンプ場。マザー牧場の動物と同じように放し飼い気分を味わえます。
トイレ、炊事場、シャワーはありますが、それ以外は何もありません。
サイトのレイアウトから食事まですべてがキャンパー次第です。
とはいえ、電車の座席もつい端っこに座ってしまうように、テントを立てるのもまわりを囲む木のそばという人が多いです。
なんとも不思議なことです。
その名の通りマザー牧場が近くにあるので、動物好きな子どもがいるならマザー牧場ははずせません。
牧場の駐車料金を払わないなら、牧場までの移動は歩きです。しかも行きは上りです。
中年のからだにはこたえる距離なので、心して登ってください。

やぶはら高原こだまの森キャンプ場(長野県木曽郡)

収容サイト数は80。
巨大な公園にキャンプ場がくっついている子どもたちの楽園です。
芝生フリーサイトは、本来サッカー場のところをキャンプ場として開放。
サッカー場2面分あるので、相当な広さです。
子どもファーストで公園の近くに陣取るもよし、子どもたちの笑い声をかすかなBGMにするためにすこし離れて設営するもよしです。
予約いっぱいと言われた日にあそびに行きましたが、まだまだスペースにゆとりがありました。
標高1,000mなので、朝晩の冷え込みにはご注意ください。
わたしみたいに、車のバッテリーあがりにも注意してください。
「バッテリーあがり?」と思われた方は、こちらの滞在記もあわせてご覧ください。

戸隠キャンプ場(長野県長野市)

収容サイト数は300。一気にサイト数が増えます。
高規格でありながら、自然を感じさせてくれるキャンプ場です。
フリーサイトもいろんな地形やロケーションがあり、迷いがいがあります。
一度ですべてをまわり切ることはできないので、何回行ってもあきない豊富なバリエーションが魅力。
自然そのものがアトラクション。川、虫、星、動物とキャンプらしいキャンプが待ってます。
昭和生まれのおじさんには、「そうそう、キャンプってこういう感じ」と共感してもらえるはずです。

ふもとっぱら(静岡県富士宮市)

収容サイト数は1,500。ケタがちがいます。King of フリーサイト。
富士山と添い寝ができるキャンプ場です。
フリーサイトで感じる開放感。他のキャンプ場で感じていたこの「開放感」は、実は子どもだましだったことに気がつきます。
ふもとっぱらの開放感は、King of フリーサイトの名にふさわしい特別なものです。
主役の富士山については説明はいらないですよね。
エベレストの半分以下だという世界との比較はやめて、富士山の迫力に圧倒されてください。
ふもとっぱらにあるのは「富士山、以上」。他に何もいりません。
業務連絡。1,500サイトというのはとんでもない数字です。
途切れることなく車が走っているので、キャンプ場内であそぶときには、くれぐれもお子さんから目を離さないようにしてください。
また、目印になるものがないので簡単に迷子になります。

フリーサイトのすすめ
フリーサイトには、「自由」「広い」「安い」というわかりやすい魅力があります。
キャンパーのキャンプ筋肉を刺激してくれます。
その一方、早くチェックインをしないとその恩恵にあずかることはできないといった注意点もあります。
車にとってもフリーなので、車の動きにいつも以上に気を使わなければいけません。
逆に、車の横付けが禁止されているキャンプ場では、持ち物にシビアになっておく必要があります。
同じフリーサイトでも、キャンプ場によってすこしずつルールがちがいます。
事前にルールを確認して、それぞれのキャンプ場にあった準備をしておくと、キャンプの彩りが変わってきます。
ぐずぐずせずに早めにチェックインをして、「平らな場所」「トイレに近い場所」など、じぶんなりの基準でサイトを決めるのが大人のキャンパーです。
フリーサイトを持つキャンプ場には、大きく分けて「テーマパークがくっついているところ」「大自然にかこまれているところ」の2種類があります。
どちらがすぐれているという話ではありません。
子どもの年齢、日程、大人の気分などいろんなことを考えながら気になるところに遊びに出かけてください。
子どもたちと一緒に過ごせる時間は案外短いものです。気をつけて行ってらっしゃい!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。CAMPION(Follow @beautifulrice1)でした。