こんにちは。土井善晴先生が好きなあまり先生の料理教室に1年間通っていたCAMPION(Follow @beautifulrice1)です。
自分のおこづかいではじめてうつわを買いました。45歳の夏の話です。
2021年上半期で、もっとも心が満たされた買い物でした。まちがいありません。

この記事では、そんなうつわをめぐる冒険を紹介します。
購入前〜きっかけは土井善晴先生のツイッター

うちの食器の多くはiittala(イッタラ)のものです。
すべて妻がえらんでくれました。
作りがしっかりしていて、シンプル。食洗機でも洗えるので道具としての使い勝手もいいんです。
足りないサイズは、無印良品の食器で補ってます。
食器について特に不満はありません。ふだんの生活でストレスを感じることはありませんでした。
6月にこんなツイートを見かけました。
土井先生が懇意にしている作家さんを紹介されていたんです。
私がとてもお世話になっている箱崎竜平さんの個展が東京 梅ヶ丘であります。堅牢で健全で和洋中に使える焼き物です。料理が元気になる器です。期間中私も間をみて彼に会いに行くつもりです。竜平さんはいい人です。奈良の山から来ますので会いに行ったげてください。山の空気すえます。お願いします。 pic.twitter.com/KsNdoG1xYk
— 土井善晴 (@doiyoshiharu) June 17, 2021
先生の本、雑誌、テレビ番組で見かけるたびに、素敵だなぁと思っていたうつわが箱崎竜平さんという方の手によるものだということをはじめて知りました。

ツイートを目にする前に、ちょうど「自分の時間を取り戻そう」(ちきりん)を読んでいたこともあり、ふと見に行ってみようと思ったんです。
もともと出不精なわたしが出かけてみようと思ったんですから、「きっと何かがあるにちがいない」と思ったわけです。
いい機会なので娘たちにも声をかけ、行きたいという次女(4歳)を連れていくことにしました。
この時点では、うつわを見てみたいというだけで、買おうとは思ってませんでした。
購入時〜娘の感性を信じて
娘とのデートのような気持ちで、個展が開かれている梅ヶ丘までやってきました。
「お腹すいた」「トイレ行きたい」「おやつたべたい」といろいろとより道をしましたが、なんとか会場に到着しました。
さっそく展示されているうつわを手にとってみます。
不思議としっかりと手になじみます。家で使っている磁器とちがって、すべる感じがありません。
箱崎さんのうつわは見てると力をもらえます。
でも、うつわは観賞用ではなく、あくまで道具です。
手にとってみるとそのことがよくわかります。道具としての安定感があります。
手作りなので、同じサイズのうつわでも少しずつ表情がちがいます。
「こっちの絵柄がいいなぁ」「あっちの形がいいなぁ」といつの間にか真剣に比較しています。
となりの娘も、いつの間にか真剣にうつわに見入っています。
うつわに触れる前は、落とすんじゃないかとヒヤヒヤしました。
しかし、手なじみがいいのと万一の場合には弁償すればいいと腹をくくって、娘には気の向くままにうつわを楽しんでもらうことにしました。
本物に触れる機会なんてめったにありませんし、うつわ展に連れてきておいてうつわに触らせないなんて、ちょっとした児童虐待です。
ちょうど娘のご飯茶碗をさがしているところでした。
せっかくなので1個買っていくことにし、娘と一緒にお茶碗さがしのスタートです。
気になるお茶碗を一つずつ手にとって、「あれがいい」「これがいい」と娘と品定めをします。
娘は自分のきもちに正直なので、「これはいい」「あれはダメ」とものすごいスピードで仕分けしていきます。



娘が使うものなので、娘がいいというお茶碗をえらびました。
少し大きい気もしましたが、親が口出しすべき筋合いのものではありません。
大げさではなく、そのお茶碗に娘が運命を感じている可能性だってあるわけです。
そんな様子を見ていたら、私も楽しくなって一枚お皿を買ってしまいました。はい。。。

購入後〜うつわのある暮らし
真剣にえらんだうつわのある暮らしがはじまりました。
娘のお茶碗のサイズも大きいかなと思っていましたが、もてあますことなく使っている様子です。
すべらせて落としてしまうこともなく、ニコニコしながら使っています。
やっぱり自分でえらんだんだという思いがあるんだと思います。
私も自分でえらんだうつわを使うのがたのしみで仕方ありません。
私のは小皿なので、一品料理、デザートを乗せてたのしんでます。
妻の感想は複雑なものです。

いいうつわなのは分かるけど、2個だけだと統一感が出しにくいわね。

ごもっとも。
もちろん、わたしもそのことは考えました。
ただ、これまで一枚もうつわを買ったことがない人間には、いきなり家族分の皿を取っ替えるような買い物はできません。
小さくはじめようと思ったんです。
そうはいいながらも、娘がたのしくお茶碗を使っている様子を見て、パパの身勝手な行動を許してくれるうつわの大きさがわたしの妻にはあります。
こうなると、今度は長女のお茶碗も買ってあげたいと思うんですが、うつわ展以外でどこで手に入れられるかわからずこまってます。
ネットで見つけたお店では扱っている数が少なすぎます。
せっかくなので、長女にも自分の目で見て、触ってえらんでもらいたいんです。
次の個展を待つしかないのかなぁ。
ふだんの買い物は、必要に迫られて生活必需品を買うだけです。
その買い物では、コスパのことしかほとんど考えてません。味も素っ気もありません。
うつわを買うっていうのは、それとはまったくちがう買い物体験でした。
リアルなお店で、たのしんで買い物をするのは何年ぶりでしょうか。
うつわにハマる人がいるのもなんとなくわかる気がします。
おまけ〜土井先生に魅せられた人たち
個展の開かれたアトリエにいらっしゃったオーナーの方とお話をする機会がありました。
土井先生のツイートをきっかけに個展に足を運んだ人が多くいるそうで、ふだんよりもたくさんの人が来場したそうです。
わたしもそのうちの一人というわけです。
ひょっとして箱崎さんや土井先生にお会いできるかもと淡い期待を抱いていたのですが、それはかないませんでした。
ただ、会場には偶然、絵本作家の本間ちひろさんがいらっしゃいました。
土井先生監修の元、こちらの絵本をおかきになった作家さんです。
土井先生のおむすびの握り方がやさしく書かれています。
絵本を作るときの先生とのやり取りを聞かせていただき、土井先生マニアとしては興奮しっぱなし。

いいうつわが買えただけでなく、土井先生の裏話も聞けるなんて。
取材中、「おむすびは丸くしないととだめですか?」と神回そのままのおむすびトークがくり広げられたんだそうです。
先生の料理教室に参加した身として、急にマニアスイッチが入ってしまいました。
先生のこの本が良い、あの本の写真が最高だ、このコメントが気に入ってるなど、マニアモード全開で本間さんとおしゃべりさせていただきました。
それだけでなく、いい機会なので絵本をお借りして娘に読み聞かせもさせていただきました。
本間さん、お忙しいところおつきあいいただきありがとうございました。
土井先生に魅せられて集まってくる人たちは、ほんとにいい人ばかりです。
うちには、妹の何倍もものづくりが好きな姉がいるので、今度は姉も一緒に連れていきたいです。
箱崎竜平展(2023年)@アートスクウェア観
2023年4月1日にふたたび箱崎さんの個展に行ってきました。
このときは、トークショーに来られていた土井先生にもお会いすることができました。夢のような時間をすごすことができました。
くわしい夢の話をこちらの記事にまとめていますので、よろしければご覧になってください。
