「くらしのための料理学」(土井善晴)を読んで始めたこと

くらしのための料理学 土井善晴 学びのきほん

こんにちは。土井善晴先生が好きなあまり先生の料理教室に1年間通っていたCAMPION()です。

自分が作った料理を家族が夢中で食べる様子を見るのはとても満ち足りた瞬間です。先生も、これは料理をする人の特権とおっしゃってます。

一方、毎日食事を作ることについて、しんどいと感じることもあります。

夫婦が交代で食事を作っているわが家でそう感じるので、ママだけ、パパだけで準備をしているケースを考えるとゾッとします。

「料理と利他」(土井善晴・中島岳志)を読んで、人間と地球についてぼんやりと考えていたときに追い打ちをかけてきたのが、「くらしのための料理学」でした。

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この本では、「くらしのための料理学」を読んで、新たに始めたことについて紹介します。

「くらしのための料理学」を読んで始めた3つのこと

本書では、人間と自然という大きな話から家庭での食事という身近な話までが、歴史の話を踏まえながら書かれています。

当たり前だと思っていたことが、実は当たり前でなかったり、知っていたようでまったく知らなかった食にまつわる背景など、学びの連続です。

おかずのクッキングでダジャレを連発する先生と同じ先生が書いたとは思えない奥深い話が展開されています。

くわしい内容は、実際に本書で先生の声を直接聞いていただくことにして、ここではこの本をきっかけに始めた3つのことについて紹介します。

1. お膳に乗せて食べる

金芽ロウカット玄米 #Campion食堂

食事を用意したら、お膳に乗せて食べるようにしました。

一汁一菜の実践です。ご飯と具沢山の味噌汁と納豆や梅干しなどを添えて完成です。

もう余計なことは考えません。

旬のものをたっぷり味噌汁の具材にして、玄米ご飯といっしょに準備するだけです。

金芽ロウカット玄米 #Campion食堂玄米生活はじめませんか?〜茶色いものはカラダにいい

理由

「くらしのための料理学」ではこんな一節があります。

その時、大事にすることがあります。まず、ご飯をしっかり装ってください。それと、味噌汁は具だくさんにして、梅干しや沢庵はお皿に載せてください。一人暮らしであれば、それらを載せるお膳があればいいですね。箸置きに箸をきちんと横において、お茶碗は左手前、味噌汁のお椀は右手前、漬物は奥向こうに置いて三角形に並べて、整えることです。これが和食のシンボルです。美しい形ですから、お膳の前にきちんと座ってください。そして手を合わせれば、心が落ち着くはずです。

「くらしのための料理学」

雑に食事をしていて忘れていましたが、実家で暮らしていた頃はこれに似たようなことをしていたことを思い出しました。

試しにやってみると、不思議と心が整うんです。

机やお盆を拭いて、場を改めると厳かな気持ちになるんです。

横向きにおいた箸、「縁高」(ふちだか)と呼ばれる立ち上がりのあるお膳が、人間と自然(食材)を分けてます。

この境界線を意識し、箸をとって「結界」を解くことで食事が始まるという考え方は、食事と向き合う心構えを変えてくれます。

効果

こうすることで、食事への切り替えができるようになりました。

大げさではなく、食べられることに感謝して、ゆっくり食事をするようになりました。

また、献立も難しく考える必要がなくなりました。なんといってもお膳に載せられる量は限られているので、旬のものをたっぷりと味噌汁の具材にするだけでいいんですから。

味噌は何種類か用意しているので、その日の気分でなんとなくで選んでます。

作らなきゃとというプレッシャーから解放されるのも大きなメリットですね。もちろん、食べすぎることもありませんよ。

ちなみに、お膳はこのKINTOのトレイを使ってます。

2. 食事中にスマホを触らない

1つ目のお膳に載せる話と通じます。

食事中はスマホを触らないようにしています。

スマホを触っていると、何を食べているかよくわからなくなってしまいます。

もちろん食べている物自体はわかりますが、その味や個性、季節の変化などをまったく感じることができません。

せっかく、自然との接点がそこにあるんですから、それをみすみす見過ごしてしまうのはとてももったいないことです。

スマホなんていつでも触れます。何も食事のときに触る必要なんてないんです。

家族で食事をしているときはなおさらです。

食べ物の味だけでなく、家族との話も耳に入ってこなくなります。

それと同じで、家族で食事をしているときには、特別なことがない限り、テレビを付けながら食事をするということもありません。

同じ理由です。

子どもにとってテレビの力は絶大です。食べ物を口の手前までもっていった状態で、食べずにテレビを見続けていることもしばしばです。

ご飯の味もわからない、家族の会話もできない、食事は片付かない、いいことなど何一つありません。

見たければ、ご飯を食べてからお茶を飲みながら見ればいいんです。

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ちょっと熱くなってしまいました。

理由

こうする理由はいたってシンプルです。

目の前の食事の時間、食べ物に集中するためです。

集中したほうが、絶対おいしくて楽しいからです。

小難しいことを考えて、子どもに食育をするより、こうする方がずっと学びがあります。

生きる力も育てられるんじゃないでしょうか。

効果

いやおうなしに何を食べているかに意識が向くことになります。

味もよくわかります。食べ物に関する質問もいっぱい出てきます。

料理をした人がそれに答えてもいいですし、わからなければ食事のあとに調べてもいいんです。

家族と一緒に食事をすれば、当然食事の話もしますし、食事以外の学校、保育園、仕事、週末の予定などいろいろな話になります。

食事そのものもさることならがら、家族で食事をしている時間が楽しい記憶として頭に残ることが、心の安心につながるんじゃないかと思ってます。

やっぱり帰るところがあるっていうのは、外で頑張るときの励みになると思うんです。

3. 家族を料理に参加させる

家族、特に子どもたちを食べることだけでなく、作ることにも積極的に参加させるようにしています。

机を拭く、箸を並べる、サラダの仕上げをする、ハムステーキを切り分ける、片付けをするなどちょっとしたことですが、料理・食事の工程に少しでも参加させるようにしています。

始めたばかりなので、ムラがあります。ただ、慣れるに従って子どもなりに面白い部分を見つけ、積極的に手伝ってくれる回数は増えてきています。

作る側も、どの工程を手伝ってもらおうかと考えながら食事の準備をして、子どもが楽しく参加できる余地を残すようにしています。

理由

食事を準備することが、完全に母親のタスクになってます。

高度経済成長時代ならまだしも、いまはもう令和です。

夫婦共働きが当たり前になってきているのに、家事の負担、特に料理は母親に任せっきりという状況がなかなか改善されません。

土井善晴先生の「一汁一菜でよいという提案」に救われたという声を多く聞いた背景には、こういった状況が解消されていないことの証といえます。

本書にこんな一節があります。

日本では料理を作る人と食べる人が分断されがちです。それでは、料理を作る人ばかりに食事の負担が強いられることになります。でもこれは、食べる人の理解、努力、協力があって解決できることです。

「くらしのための料理学」

料理を作る人は、家のリーダーとして「文句があるなら手伝え」と言ってください。

「くらしのための料理学」

これを見て、ふだん料理をしている人は、「そうだ!そうだ!」となることでしょう。

反対に、なんとなく後ろめたく感じる人は、任せっきりでむしろ文句しか言ってないという人ではないでしょうか。

自分のことは自分でする、料理以外のことであれば当然のことですが、こと料理となると自分にとって都合のいい役割分担を設定して、やらないことの言い訳をしていることが家族の一員として健康的ではないと思ったのです。

食べることは作ることとつながっています。

そんな意識から、できる範囲で料理に参加させ、食事に対して能動的に関与させたいと思ったのです。

効果

子どもたちは純粋に料理の工程に参加できることを楽しんでます。

毎日準備しなければと負担を感じている親とちがって、子どもたちは自分の手が何かを作り出すことに喜びを感じているようです。

もちろん、必ず、こちらが思ったように手伝ってくれるわけではあります。

大人だって気分の浮き沈みがあるのと同じで、子どもにもあります。

テンションが低いときには、手伝ってくれないときもあります。

それはそれでいいんです。

少なくとも、これまで食事の時間はお客様気取りでしたが、今がちがいます。

少なくとも、何もしなくても食事が出来上がることはないんだということを理解してくれるようになりました。

作ることと食べることはつながっているので、食べるときの興味の幅も広がってきました。

これまでは、食材を指差して「これなに?」といった感じでしたが、今は「これどうやって作るの?」と料理の工程にフォーカスを当てた質問をしてくるようになりました。

作る方としては、子どもが手伝える範囲を想像しながら、料理をするので少し勝手が違うところはありますが、それも最初だけです。

子どもたちが経験を積めば、そのうち丸投げできる日も近いでしょう。

少なくとも仕上げを手伝ってもらうだけでも、作り手としてはずいぶん効率よく料理をすることができるようになりますし、料理中にも楽しみが増えたような気がします。

まとめ

https://campion110.net/wp-content/uploads/2019/07/IMG_2667-e1564406647556.pngCAMPION

いかがでしたでしょうか。

おかずのクッキングで先生のダジャレを見たことがある人は、本書で書かれていることと大きなギャップを感じるかもしれません。

ファンとしては、このギャップ、振れ幅の大きさが先生の大きな魅力ではあるんですが。。。

ほっておいても1日3回やってくる食事の時間です。

その食事の重要性を根本のところから考え直させてくれる本でした。

料理を作る人の喜び、苦労、料理を食べる人の責任、それぞれが果たすべき役割について、ひとつひとつ紐解いていき、日常の食事のあり方を再構成してくれる本でした。

本書は、料理をする母親にとっては救いの書に、それ以外の人にとっては戒めの書になるはずです。

昔の家族であれば、おじいちゃんやおばあちゃんが厳しくやさしく教えてくれたようなことなのかもしれません。

でも、今の家族ではなかなかそんな機会はありません。

いっそのこと家庭科の教科書にしてほしいとすら思います。一家に一冊、ぜひ読んでほしい本です。

料理を作ってもらって当然と思っているパパ、これから独り立ちしていくであろう子どもたち、それぞれにとってとても意味のあるくらしのための料理学です。

NHK出版の学びのきほんシリーズで、価格も手頃です。

家での食事のあり方を変える一冊です。ぜひご覧ください。

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このページの他にも、先生の本やレシピなどについて書いてます。

https://campion110.net/wp-content/uploads/2019/07/IMG_2666-e1564406598919.pngCAMPION

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。CAMPION()でした。