キャンプの合間に小浅間山（長野県）に登る

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ひそかなあこがれ

キャンプの合間に山登り。まさかこんな日が来るなんて。

キャンプをしながら山登りを楽しむ人をときどき見かけます。「元気だなぁ」「タフだなぁ」とめずらしいものを見るような目で見ていました。

本音はうらやましかったのですが、それを認めたくないという変な意地があったんだと思います。ほんとのところは強く強くあこがれていました。

そんなキャンプの合間の山登りを自分たちもする日が来たのです。1年前にはまったく想像していませんでした。8、9月の立山・室堂での山キャンプが自分たちを大きく変えました。

2022年10月15日に長野県にある小浅間山に登りました。北軽井沢スウィートグラスでキャンプをしている合間に登りました。

小浅間山は標高およそ1600m。峰の茶屋（標高およそ1400m）から登り始め、だいたい1時間くらいで登れる山です。

8時にキャンプ場を出発。コンビニに立ち寄り朝食を調達。8時30分に峠の茶屋にある駐車場（無料）に到着。この時点で無料の駐車場はほぼ満車の状態。

満車といってもせいぜい5、6台くらいしか止めるスペースはないのですが。。。

風もなく、雲のすき間からお日様も見えるので天気は上々。トイレをすませ早速出発。

地図の案内に従い登山道を進んでいくと、いきなりカモシカに遭遇。

林の奥でじっとこちらを見ています。距離にすると200mくらい先でしょうか。

第一発見者は妻。カモシカは顔をこちらに向けてじっと様子をうかがっています。

わたしたちが部外者なので、カモシカを不安にさせないようにこちらもじっと様子を見ます。ただただ見つめ合う時間が5分くらい続きました。

「あっちにカモシカがいる」と妻の案内で、私、8歳の長女はカモシカを見つけることができましたが、6歳の次女になかなか伝わりません。

そもそもカモシカが目立つ色をしていないということもありますが、似たような木ばかりの中に潜んでいて、お互いが理解し合える言葉の数も少ないため、場所を伝えるのに苦労します。

親心としては、どうしても娘にカモシカを見せてあげたい。必死に説明を重ね、なんとか次女もカモシカの場所を突き止めることができた。

こういうときはいつも苦労します。うまく伝えることができず、次女だけ置いてけぼりになってしまうことも少なくありません。

わが家の情報共有が終わるまで留まっていてくれたカモシカに感謝。

カモシカとの遭遇のあと、しばらく登りが続きます。

カモシカの興奮がおさまってきた頃、子どもたちに少し疲れというか飽きが出てきました。

「早くキャンプ場に戻ってトランポリンで遊びたい」「せっかくポリンポリンサイトに泊まったんだから」と恨み節を連発。

お菓子で気をそらし、徐々に山モードに誘います。お菓子で子どもを釣る時、ちょっとだけ罪悪感を感じるのは私だけでしょうか。次第に気持ちも切り替わり、子どもたちの意識が山の頂上に向かいます。

土、植物、鳥、空。まわりをかこむ自然にどっぷりと浸かっていきます。中でも子どもたちが関心を示したのが軽石。文字通り軽い石をながめ、とても不思議そうな様子。はじめて見るおもちゃのような感覚かもしれません。

登山道は土というより砂に近い。ちょっとした砂浜を歩いているようでした。地面を蹴り出す力が吸収されてしまい、思うように前に進まない。短い工程とはいえ、さくさくお散歩といった感じでは進めません。お菓子の効果が切れ始めたところで、林を抜け見晴らしのいいところに出ました。

景色が変わり、ゴールが見えてくると足取りも軽くなります。もう一度エンジンがかかるのは子どもだけでなく大人も同じ。なんとか頂上までやってくることができました。

あいにく浅間山には雲がかかり、その全貌を見ることはできませんでした。残念ではありましたがそれは大きな問題ではありません。

相手は自然です。それもふくめて山登り。日を変えてもう一度来ればいいと自分たちを納得させます。

10分ほど歩くと小浅間山の西峰にも行けます。浅間山に近づくような位置関係。

眼下に広がる木々の様子は一見の価値あり。私は西峰の方が好みです。景色についてくわしく書くと楽しみを奪ってしまうのでやめておきます。

小浅間山には登山者による混雑がありません。かといって誰もいないというわけでもありません。

クマに襲われたくない、けれどのんびりと山登りをしたいというわが家にはほどよいにぎわい。高尾山に登ったあとなので、よけいにそう思うのかもしれません。

キャンプと登山の組み合わせははじめてのこころみでしたが、こんなに楽しいものだとは想像していませんでした。近くの遊園地に行くくらいなら、断然こっちのほうが楽しいです。

下山し、キャンプ場にもどったのは12時ごろ。午前中だけで帰ってくることができました。

キャンプ場にもどった後は子どもたちはトランポリン三昧。大人は小浅間山の余韻に浸って感想戦。

ゆっくりごはんを食べ、お酒を飲みながら、カモシカの思い出などについて語り合いました。

お察しの通り、その日は8時にはシュラフに潜り、4人そろって爆睡でした。