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2022年11月3日(祝)から3泊4日で温泉巡りをしました。
温泉巡りといっても、温泉街を歩いたわけではありません。ザックを背負って山に入り、温泉宿を歩いて転々としたのです。
温泉には家族4人、私と妻、2人の娘(小学2年と年長)の4人パーティで出かけました。
立山(富山県)に行ってから山への関心が止まらりません。
山と言っても高い山を制覇したいといった「山頂」をめざすものが好きなわけではありません。キャンプをしたり、散策をしたりといった楽しみ方がわが家にはしっくりきます。
すでに紅葉のピークはすぎていたようです。かといって、まったく紅葉が残っていなかったわけでもありません。
木々に残る紅葉、道中に敷き詰められた落ち葉、その両方で紅葉を楽しむことができ、ぜいたくな旅になりました。
温泉めぐり
登山の出発地点は女夫渕駐車場。無料の市営駐車場です。
このあたりの奥鬼怒エリアには4つの温泉があります。
女夫渕駐車場から先は一般車両が入ることはできないので、秘湯と言っていいでしょう。加仁湯や八丁湯は送迎をしているようだが今回の旅では利用しませんでした。
駐車場までの車の移動はとてもスムーズでした。紅葉のピークが終わっていたからかもしれません。
対向車とは時折すれちがう程度で、細い山道でもストレスはありませんでした。
駐車場に到着したのは9時。駐車場もかなり空きがありました。
女夫渕駐車場〜加仁湯温泉(1日目)
1日目の宿は加仁湯です。途中にある八丁湯に立ち寄りたかったのですが、この日は日帰り入浴を受け付けておらず、断念。
3時間くらい歩いて、12時台には到着するという計画でした。子どもたちと一緒なので、かなり余裕を持たせたプランにしました。そのくらいで着けば、ゆっくり昼ごはんも食べられるだろうと考えたのです。
天気は快晴。駐車場から登山道に向かう橋でいきなり猿と遭遇。まったく予期していなかったのでかなりびっくりしました。先日登った小浅間山もスタート直後にカモシカと遭遇したので、なにかがあるような気がします。きっと気のせいですが。。。
スタート直後、上り階段の連続でかなりきつかったです。
特に、早朝からの運転があり、体がまだ山に慣れていないこともあり、とてもハードでした。子どもたちも挨拶がわりの上りに出くわし面食らった様子。
それでもきつかったのははじめだけ。それ以降は多少のアップダウンはあっても息が上がるような難所はほぼありませんでした。
紅葉を眺めたり、石を眺めたり、ツチハンミョウを見つけて興奮したり、次々と変わる景色を思い思いに楽しみました。
ツチハンミョウは、北軽井沢スウィートグラスに行った時に「危険生物」として紹介されていたので、わが家でちょっとしたブームになっていた虫。
登山道ではそれほど迷うようなところはありませんでした。目印をしてありますし、人の通ったあともよくわかったので、安心して歩くことができました。
ただ、落石注意とされているエリアが多いので、休憩をする場所については慎重にえらびました。
結局、3時間弱で加仁湯に到着。YAMAPで計測した行程のスクショはこちら。
宿に着けば温泉に入り、すこし疲れを取ろうと横になったら爆睡。瞬殺でした。床に沈み込むような昼寝の感覚が、疲れの大きさを物語っています。
加仁湯〜日光澤〜手白澤温泉(2日目)
2日目の目的地は手白澤温泉。
14時のチェックイン時刻まで時間があるので、日光澤温泉へ日帰り入浴へ行くことにしました。日光澤温泉は加仁湯から歩いて15分ほど。前日の3時間の移動にくらべたら準備運動のようなもの。
この日も午前中は天気もよく、川の魚をながめながらのんびりとたのしく散策ができました。
日光澤温泉は混浴の温泉。とはいえ、他にお客さんはいなかったのでわが家で貸切の状態。加仁湯とはまたちがった温泉を楽しむことができました。
温泉に入って5分くらいした頃でしょうか、長女がトイレに行きたいというので、服を脱いだり着たり、坂を登ったり降りたり、服を脱いだりと大忙し。
温泉に入ってすぐもよおすのはわが家の娘たちの恒例。お風呂に入る前に用をすませても、ふたりのうちのどちらかがこうなることが多いのです。
温泉はママにとって至福の時間なので、こういうときの付き添いは私の役目。こんなドタバタも子どもの年齢を考えるとあとすこしかもしれません。
日光澤温泉での日帰り入浴が終わって加仁湯にもどります。
預かっていただいていた荷物を受け取るとの注文していたお弁当を食べます。あと、旅行支援割のクーポンを使ってお買い物もしなければいけませんでした。
家族みんなの分を合わせると12,000円分もありますが、この日しか使えない上に私たちの旅程では加仁湯のお土産コーナーでしか使うタイミングがありませんでした。
旅行支援の話が出る前から予約をしていた旅行なので、クーポン自体、たなぼた、おまけ程度のものでしかないのだけれど、地方の観光産業の支援を目的とするのであればもうすこし使いやすい制度設計をお願いしたいものです。
おにぎりを食べお腹も満たされたので、手白澤温泉に向けて出発。午後の予報はくもり。山の天気は変わりやすいということもあって早めに出発することにしました。
手白澤温泉には10年ほど前に一度来たことがあります。
そのときはまだ子どもがおらず夫婦ふたりで来ました。時期は今回とそれほど変わらなかったと記憶していますが、道中、ところどころに雪が見られました。
その時はかなりいいかげんな装備、心構えできたので雪穴に落っこちたことをよく覚えています。おへそのあたりまで雪に埋まってしまい、肝が冷える思いをしたのでした。
今回歩いた道には雪はありませんでした。
後ほど紹介するように、きちんと山を歩く装備もしていました。ずいぶんと成長したものです。自然の怖さを味わったことで慎重になったというか、謙虚になった気がします。
2日目ともなると子どもたちも山道に慣れ、楽しく歩いている様子。
ふたりで歌を歌いながら一歩一歩進んでいきます。子どもたちの歌声に癒やされるとともに、この騒がしい歌声が熊よけの役割も果たしてくれたので大変ありがたかった。
時間にすると1時間強。あっという間に手白澤温泉に到着しました。
わかりにくい道はありませんでしたが、ところどころ崖そばの細い道があったので、気をつけながらの移動となりました。
アップダウンがきついということもなく、温泉でエネルギーチャージができているので休憩もなくたどりつけました。
宿が見えてきたあたりでポツポツと降り出してきました。
宿に着き、荷物の整理をしながらわんちゃんによる出迎えを受けていると外は土砂降りの雨。くもり予報ではあったので小雨は想定していたがびっくり。よくみると雹(ひょう)。
山の天気は変わりやすい。早めに出発してよかった。雨の予報でなくても雨具は必携です。ここにもYAMAPからとってきた行程はこちら。
手白澤温泉は1日に利用できるのは6組まで。客数を限定しているので何事においてもゆとりがあります。
スペース、時間、おもてなし、どれをとっても来てよかったと思わせてくれます。また来たいと思わせられるのです。
施設内には必要最低限のものがそろえられていて余計なものがありません。
このすっきりとした設計がとても気に入っています。自分の家もこうありたいと思うわけで。
備品の過不足がないということだけでなく、空間としても広すぎず狭すぎずでちょうどいいかげんなのです。この説明では、手白澤温泉のよさが1割も伝わっていないと思います。自分の筆力のなさを嘆くしかありません。
もちろんテレビもありません。そもそもわたしはテレビなんて必要ないと思っているので不足を感じることはありません。代わりに本が置いてあるのでゆっくりと手に取ってみるのもいいものです。
温泉は内風呂と露天風呂のふたつ。そもそも利用できる客数が少ないので、のびのびと楽しむことができます。特に露天風呂は、泉質、景色、湯温のいずれもがここちよく、いつまでも入っていられます。それこそテレビなんて見ている暇はありません。
それで終わるかと思いきや、料理もおいしい。最も印象に残っているのはにじますの甘露煮です。
時間をかけて丁寧に準備をされたであろう甘露煮はとびっきりのおいしさでした。すっきりした甘さの甘露煮は絶品でした。まるごと魚を食べる経験のない子どもたちには大変な驚きだったようだが、家族全員が完食。また食べたい。
これまで秋から冬にかけてしか訪れたことがないので、次は季節を変えて来てみたいです。女将さん曰く、緑あふれる5月中旬から下旬もまったくちがう景色が楽しめるとのこと。来年が楽しみです。
手白澤温泉〜女夫渕駐車場(3日目)
3日目、手白澤温泉から女夫渕駐車場に帰る。天気は昨日とうってかわって快晴。ただ、出発時点の10時の気温は2℃ととても寒い。2日にわけて来た行程なので、1日の移動としてはもっとも長い。それでも下りが中心で、一度来たことのある道なので精神的なつらさはまったくなかった。
例によって子どもたちの歌を聴きながらゆっくりと着実に進んでいきます。
立ち止まると急激にからだが冷えてしまうのでゆっくりでもとにかく休まずに進みます。
落石注意のエリアが多いこと、止まっていると寒いことなどもあって、腰を据えての休憩は取りませんでした。それでも子どもたちも慣れたもので途中でバテることもなく歩き切ることができました。
中には川のそば、滝のそばで休憩をとっているグループもありましたが、見ているだけで寒そうでした。
かかった時間はおよそ3時間。YAMAPの行程ではこのように計測されています。
手白澤温泉でひとつだけお弁当を注文していたので、駐車場に戻って子どもたちはかんたんにランチ。歩いて行く温泉巡りはこれで完結です。ここまでの旅は親の興味関心のおもむくままに計画したものだったので、4日目は鬼怒川温泉ホテルに場所を移し、子どもたちの好きそうなザ・観光を楽しんできました。
装備
次の行く時のため今回の装備について記録しておきます。
基本となる装備については、9月に雷鳥沢キャンプ場に行った時とほとんど同じ。大きくちがうのは、宿泊に必要なテントやシュラフを持って行く必要がなかったことです。
まずは足元から。靴は、トレールウォーカーワイド。靴下は、WICサポーテックトレッキングソックス。いずれもモンベルのもの。パンツはモンベルのO.D.パンツ。足は動かしている時間が長いので、インナーを履くなどの防寒はしていません。
続いて上半身。
インナーにドライレイヤー(ファイントラック)。その上にモンベルのウィックロンTシャツ(長袖)を重ねました。夏場は半袖にアームカバーの組み合わせでしたが、寒さを考慮し長袖を着用。長袖の上にはライトウインドジャケットを着て、防風・防寒の対策をしました。
あと、寒がりの私は手袋にトレールアクショングローブ(モンベル)を着けてすごしました。
最も寒かった最終日でもこの装備で動いていれば肌寒さは感じるものの、寒くて動けなくなるようなことはありませんでした。すこし鼻水が出る程度でした。念のため、プラズマ1000ダウンジャケット(モンベル)をザックに忍ばせてはいましたが、行動中に使用する機会はありませんでした。
ザックはモンベルのチャチャパック35を担いでいきました。ちなみに、妻は40Lのザック、子どもたちはそれぞれ20L弱のザックだ。テントやシュラフを入れる必要がないので十分な大きさでした。
残るアクセサリーとして、帽子はひもつきタイプのハット。サングラスはJINSで買った度付きのもの。手ぬぐいはにじゆらのものを使いました。いずれもふだんの生活でも使っているもので、ほかに選択肢はありません。全幅の信頼を置いています。
むすび
メインの移動手段を歩きにした旅。わが家でははじめてのこころみでしたが、とても満足度の高いものになりました。好天に恵まれたことが大きな要因であることはまちがいありませんが、ゆとりのある無理のないスケジュールを組めたことも旅の満足度を高めてくれました。
旅行に行くとなるとついついいろいろなことを詰め込みがちですが、腹八分くらいがちょうどいいです。今回も天気がよくて不足の事態に対するドタバタをしなくてちょうどいいボリュームだったので、ひょっとするとまだ詰め込みすぎているのかもしれません。
さきほど少し触れましたが、4日目は鬼怒川温泉ホテルですごしました。
大きなホテルの中には、売店、ゲームコーナー、卓球場とありとあらゆるものがそろっているホテルです。当然、人の数も多い。ホテルの中を歩いていると次から次へと強い刺激が入ってくるので落ち着いていられません。山でしずかな3日間をすごしたおじさんにとっては心の休まらない時間でした。子どもたちはこちらのホテルライフも満喫しているようなので、こちらが悪いというつもりはないが、すくなくとも今の私にとってはどちらの環境が心地よいかは明らかでした。
温泉を目的地とする歩き旅の楽しさを存分に味わうことができました。子どもたちもまんざらではなかったようなので、季節を変えて再訪することはもちろん、場所を変えて別の温泉地も巡ってみたいです。