雷鳥沢キャンプ場でみつけたそれぞれの定番

雷鳥沢キャンプ場

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1か月前に来たばかりの雷鳥沢キャンプ場に来た。9月の紅葉を見るためというより、8月のリベンジだ。前回ははじめての山キャンプだったため、なにもできないまま終わってしまった。そんな悔しい思いがあったので、もう一度来た。すぐに来た。

泊数も今回は3泊にした(前回は1泊)。台風の影響で、最終日はテント泊をあきらめ山小屋へ移動したが、3泊できる準備をして行った。3泊すれば1日くらいは晴れるだろう。晴れれば、一の越くらいまでは行けるだろう。外で料理も作れるだろう。室堂一帯を散策することもできるだろう。そんなことを考えていた。

来てみると、滞在期間を通じて晴れ続き。小雨がぱらつくことはあったが、とても天気にはめぐまれた。最終日も台風の影響で風は強かったものの、雨で身動きが取れないことはなかった。8月に土砂降りを経験したので、晴れが身に染みた。天気がよかったせいか、今回の旅では雷鳥に残念ながら出会うことができなかった。

晴れを生かして家族4人で散策に出かけた。テントをベース基地にして出かけるって、山をたのしんでいる気がしないか。日が登る前に準備をしてテントを飛び出していく先輩諸氏を見ていて憧れていた。登山ではなく散策だけれども、山に来ている実感が湧いてくる。

1回目は賽の河原~立山室堂山荘~室堂平~雷鳥沢キャンプ場のルートを通った。バーサライトパック20(モンベル)に、水、お菓子、雨具を詰める。子どもたちも同じようにリュックを背負う。重たい水は大人が持ち、軽い防寒着やお菓子は子供たちの担当。「冒険」と称して、子供たちのやる気を応援しながら歩く。長女を「隊長」、次女を「副隊長」に任命し、子供たちのテンションを高める工夫も忘れない。

歩きにくい岩の道を攻略することにスポーツに似た魅力を感じて進む次女、次々と変わる景色をながめオコジョを探すことに夢中な長女、楽しみ方はそれぞれ。わたしはスポーツよりな感覚がしっくりくる。一方、妻はもっぱらオコジョさがし派だ。組み合わせの妙というか、家族でよくバランスが取れている。

ところどころで休憩をはさみ、3時間くらいかけて室堂平に戻ってきた。子どもたちはやり遂げた高揚感、休憩のお菓子を食べられなくなるという寂寥感、いろんな思いを感じていたようだ。大人は無事に帰ってこれたことに安心すると共に、「意外と歩ける」という妙な自信を覚えた。

雷鳥沢キャンプ場 雷鳥沢ヒュッテ ビール

達成感を感じながら雷鳥沢キャンプ場に向かい、途中の雷鳥沢ヒュッテで大人は乾杯。温泉で汗を流し、冷えたビールをゆっくりと味わう。たどってきた山道をながめながらアルコールが徐々に回っていく。子どもたちが大きくなってきたので、温泉に入るのはもっぱらひとり。はじめは寂しいと感じていたが、この時間も悪くない。というか、最近はたのしみだ。

2回目の散策は最終日。宿泊地はキャンプ場からみくりが池温泉に変わってる。台風への備えのためだ。

目的地は一の越(およそ2,700m)。山と高原地図37(剱・立山)によると、みくりが池温泉からはおよそ70分。6時に朝食をすませ、7時に出発。12:30の帰りのバスに遅れるわけにはいかないので、時間厳守で冒険開始。

雨こそ降っていないものの台風の影響で風が強い。遮るものもないのでとにかく寒い。歩けば暖かくなるだろうと考えていたが、子供のペースに合わせて歩くと体が暖かくなるほどの運動量にはならない。インナーとして着ていたドライレイヤー(ファイントラック)がいい仕事をしてくれた。稲刈り体験でも活躍してくれたこの旅のMVPだ。この冬のために新調したプラズマ1000ダウンジャケット(モンベル)も大活躍。「軽量」「コンパクト」の本当の意味での重要性を知った気がする。

ひたすら登る工程は子供たちにとってはかなりこたえたようだ。けれど、途中で冒険を諦めるわけにはいかないと思ったのか、休憩でお菓子を食べ尽くしたいと思ったのか、2時間あまりかかって一の越山荘に到着。標高差にして200mくらいしか登っていないが、純粋にうれしい。その気持ちは子供たちも同じようだ。

振り返るとこの旅で訪れた場所をすべて見渡すことができた。はるか遠くには富山湾や能登半島のすがたも。昨日まで泊まっていた雷鳥沢キャンプ場にはほとんどテントがなくなっていた。台風を警戒して、早々に引き上げたのだろう。

一の越から見上げると雄山も見えたが、ここを登る人がいるなんて信じられないと思った。岩ばかりで歩ける気がしないし、特にこの日は暴風で体を持っていかれそうな感じもした。山荘の方からも「(まさか)今日、登らないですよね?」と聞かれるくらいの悪条件だった。

山荘では子供たちも貪るようにお菓子を食べていた。私たちのとっての下山後のビールと同じだ。それを止めるのは無粋というものだ。それにしてもよくがんばった。我が子ながら誇りの思う。

行きはきつかったが、帰りはあっという間。45分くらいで下山。途中、6歳の次女よりも小さい子にもたくさん出会う。心の底から「がんばって!」「たのしんで!」と声をかけることができたのは、私が歳をとったからだろうか。

目標とした11時よりも前にみくりが池温泉に到着。温泉に入り疲れを癒す。温泉から出ればお待ちかねのビール。

雷鳥沢キャンプ場 みくりが池温泉 ビール

旅の後半になると胃腸が弱ってくるので、ランチは消化によさそうなうどんをセレクト。子供たちも登頂のごほうびに食べたいものを食べてよしと最後のランチでもりあがった。ただ、インドア派の長女は疲労困憊だったようで、たのしみにしていたきつねうどんもほとんど入っていかないようだった。

今回の旅でまたひとつ家族の経験値が高まった。経験がないことを理由に控えていた山やキャンプ場も今後の選択肢に加えていきたい。

雷鳥沢キャンプ場 立山室堂 雷鳥沢キャンプ場で家族4人でテント泊 雷鳥沢キャンプ場 一の越山荘 9月の雷鳥沢キャンプ場で着たもの