【感想】「国境のない生き方」(ヤマザキマリ:小学館新書)

国境のない生き方

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本書を読んだきっかけは、出口治明さんによるご紹介でした。

一言でいうと

憧れるけどこんな生き方なかなかできないよなぁとため息が出る一冊。

大きなものさしで世界を見る

みんな、持っている地図のサイズを変えてみたらいいと思うんです。基本にする尺度を変える。

わたしも人間という一種類の動物として、他の動物たちと同じように、地球に愛される生き方がしたいです。

人の命ははかないと言うけれど、人が生きているうちに生み出したものは、時空を超えて、私たちのもとに届く。・・・だとしたら、人間も、星みたいなものですよね。

日常のことに追われて忙しくしているとついつい近くばかりを見てしまうようになります。

目の前の小さなことばかりに気を取られ、日常を楽しむことをせずただただ消耗してしまいます。

本書はそんなガチガチに凝り固まった姿勢を矯正してくれました。

つべこべ言わずにやってみる

省エネで生きると損をする

親としては我が子が心配だから、なるべく危険がない道を歩かせたいと思う。・・・「あれをした方がいい」「これはしない方がいい」と言う親の判断が、すでに情報に踊らされたものだったりするわけです。

その時は「ああっ、こんなつもりじゃなかったのにどうしよう」と言うことでも、時が経てば「失敗」と言うカテゴリーに入らない。「経験」なんですよ、それって全部。

私はつねに効率を重視して、どうすれば近道をすることができるかを考えています。

仕事だけならまだしも、日常生活でもこのこだわりは強いです。

そのため、失敗することを大きなロスだと考えて、基本的には無難な選択しかしません。

多くの場合、無難な選択からは無難な結果しか生まれないので、心穏やかに暮らすことができます。

そんなマインドセットを持っているので、子どもたちの教育に関して言うとヤマザキさんがおっしゃっていることがそのまんま当てはまります。

子どもたちが歩こうとしている道に見えている危険を取り除こうとしてしまうのです。反省。

人間として持っている感性を大事にする

マイペースに生きているようでも、仕事や人間関係に振り回されているうちに、どうしたって生き物としての野生はさびついてしまいがちで、命も本来の輝きを失ってしまう。

最近、直感ってすごく大事だと思うようになりました。

これまでは、当てずっぽうに近いイメージで直感を捉えていましたが、そうではない気がしています。

これまでの経験などを踏まえて、自分の体が示す反応なのでそれほど間違っていないと思うし、その直感に従って生きた方がより激しく自分の命を燃やしているような気がします。

自然と触れ合うキャンプに行きたいと言う衝動も、こういった野生を取り戻したいと体が欲しているように思います。

ヤマザキさんの周りにいる仙人たち

「その時、その時、できることをやればいいんだから。大丈夫、絶対になんとかなる」(母)

「僕はラッキーなんだよ。人生は、自分がラッキーだと思うほど、楽しくなる」(祖父)

※引用はいずれも「国境のない生き方」より

どれも肩の力が軽くなって、前向きに進む力を与えてくれる言葉ばかり。

こんな助言をしてくれる人が身の回りにいると言うのはとても幸せなことです。

私の家族も同じように折に触れ励ましての言葉を投げかけてくれるのでとてもありがたい限りです。

ヤマザキさんの遠い背中

歴史や宇宙に関する本を読むと自分の視野が狭くなっていることに気づくことがあります。

大自然を目の前にすると自分の悩みなんて小さいなと感じることがあります。

そんな気づきを与えてくれたのが「国境のない生き方」でした。

 

子育て論に関して、子どもの冒険の機会を奪っているんではないかと言う危機感が強まりました。

早くにお父様を亡くされたヤマザキさんの環境的な要因は大きいとは思いますが、それを差し引いてもです。

「親の責任」と言うと、親の目の届く範囲に子どもを置いておくことと言う空気というか圧力のようなものを勝手に感じています。

それが間違っていることがよく理解できました。

と言いながら、子どもに14歳になったらイタリア行きを勧める覚悟はありませんし、仮に本人が行きたいといった場合に、いって来なさいと言える自信もありません。

けど、いつかそんな日が来るはずなので、その日に備えて今から心の準備を始めておかないといけません。

私が読んだ本

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