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こんにちは。2児のパパで共働きのcampion(Follow @beautifulrice1)です。
2022年3月5日にネット試験で簿記3級に合格することができました。
1月23日にクレアールの教材を使い始めたので、1か月半で合格できたことになります。
2か月で合格する予定だったので、半月前倒しできました!
おめでとう!
未体験で得体のしれないネット試験です。
実際に受験してみてはじめてわかったことがたくさんあります。
この記事では、謎多きネット試験について、その概要、当日の様子、必要な備えについて紹介します。
ネット試験の概要
そもそもネット試験というのがどんなものなのか、その大まかな概要について紹介します。
資格試験というと、大きな試験会場に受験生が集まり、試験官が紙の問題用紙を配り、決められた時間になったら一斉に試験を開始し、制限時間になったら終了、後日採点され、合否が通知されるという流れをイメージする人が多いのではないでしょうか。
ネット試験はそうではありません。
自分でえらんだ試験会場に行き、電卓をもってパソコンの用意されたブースに行き、自分がスタートボタンを押すとパソコン画面に問題が表示され、制限時間内に問題を解き回答を入力、時間が来ると採点され、その場で合否が通知される仕組みです。
ネット試験だからといって、さすがに自宅で受験できるわけではありません。
それでも試験会場は、紙の試験とちがい、ビルの一室といった規模感です。私が利用した会場でおいてあったパソコンの台数は20台くらいだったでしょうか。
会場は人もまばら。そもそも簿記以外の試験を受けている人もいますし、時間帯もまちまちです。
一人ひとりパーティション(仕切板)で区切られているので、自習室に近いですね。
試験会場、申込方法はこちらの商工会議所のページがくわしいです。
年3回の統一試験(ペーパー形式)の前後に、ネット試験の施行休止期間が2週間ほど設定されていますが、それ以外であればいつでも受験できます。
予備校の答練くらいの感覚でふらっと受けることができます。
合格の効力は、ペーパーとネット試験でちがいはありません。
試験問題の難易度も同じくらいになるように設定されているそうです。
ネット試験の場合、AIが判断してストックされている問題から受験生ごとに問題を表示する仕組みになっているんだそうです。
ヤマを張りづらくなっているといえるかもしれません。
同じ試験会場で受けていても、となりの受験生とはちがう問題と解いていることになります。
なんだか不思議。
簿記3級の受験料は税込みで2,850円、簿記2級は4,720円です(価格は執筆当時)。
いかがでしょうか。すこしネット試験についてイメージができたでしょうか。
ネット試験当日の様子
概要の紹介はここまで。
このセクションでは、ネット試験当日の様子を実体験を交えて紹介します。
試験の環境
都内の試験会場で受験しました。
理由は単純。家から近かったからです。
会場によって大きさ、雰囲気はちがうとは思いますが、事前にそのちがいを知ることはできません。
どこで受験しても簿記3級ですので、「家から近い」「行ったことがある」「近くでおいしいものが食べられる」など、自分なりの基準で決めてしまっていいんじゃないでしょうか。
会場は決めるもので、悩むものではありません。
ビルに着くと試験会場までの道順が看板で案内されていました。
慌てるとテスト結果に影響するので20分前には会場のビルに着いてました。
試験会場の入口には女性スタッフの方が2人。受付を済ませた受験生が1人。ガラガラです。
どれくらい手続きに時間がかかるのかわからなかったので、早速手続きを開始。
簿記3級を受験する予定であることを伝えると、名前の確認、本人確認書類を使って本人確認が行われます。
本人確認には、運転免許証を提示しました。氏名、生年月日、顔写真の確認が行われます。
おそらくマニュアルがあるのでしょう。試験の注意事項について説明を受けます。
説明にはびっくりするような内容はふくまれておらず、淡々と進みます。
先に説明を聞き終えたであろう受験生の様子を探りながらおとなしく話を聞きます。
大事な注意点はひとつだけです。
スタッフの方の説明を聞き、受付を済ませると自分で持ってきた電卓以外をロッカーにしまうように指示されます。
自分が使っていボールペンなどの筆記用具も一切試験会場に持ち込めません。
もちろんApple Watchもロッカーに置いていきます。
時間がわからないのではと心配しましたが、パソコンの画面に残り時間が表示されるので問題ありません。
あとは、問題を解くための両面白紙のA4用紙2枚と書きづらいボールペンが渡されます。
紙は両面を使えるので実質4ページ分あります。簿記3級の問題を解くのであれば十分なボリュームです。
使用済みの紙とボールペンは、試験終了後、返却しなければいけません。
問題用紙も持ち帰ることもできません。
自分の電卓しか持っていけない不安といったらありません。
けど、あのときほど自分の電卓が心強いと感じたことはありませんでした。
これまでつらい受験勉強を一緒に歩んできた電卓に最後も感謝です。
試験中
受付で指定された座席につくと、試験開始の準備です。
試験時間の枠は予約していますが、試験そのものは自分がスタートボタンをクリックしないと始まりません。
パソコンの前に座り、机の上を整理し、紙や電卓の配置を決めます。
両側がパーティションで区切られていて、回答入力用のキーボードもあるので机の上はかなり狭いです。
頭の中だけでなく、実際にものを置いて、動かしてみて、問題を解く様子を想像しながら作戦を立てましょう。
ものの準備が整ったら、画面の指示に従って必要な情報を入力します。
他の試験も行われているので、自分が受験する簿記3級を選びます。
続いて受験者自身の情報も入力していきます。
このあたりの準備は、制限時間にはふくまれません。
受験上の注意も確認します。
困ったことがあれば、手元に用意されているブザーを鳴らすとスタッフの方を呼べるので安心してください。
大事な注意事項は3つです(商工会議所のHPから抜粋)。
- 金額を入力する際には、数字のみ入力(文字や円マーク等を入力すると不正解となります)。カンマを入力する必要はありません。
- 仕訳問題において各勘定科目の使用は、借方・貸方の中でそれぞれ1回ずつ(各設問につき、同じ勘定科目を借方・貸方の中で2回使用すると、不正解になります)。
- 使用パソコンによっては、試験開始直後、第1問の画面表示が不完全な場合がある。その場合は画面左下の「第1問」など他の大問のボタンをクリックし、その後、「第2問」のボタンを再びクリックすると、第1問が正常に表示される。第2問や第2問等で同様の状況が発生した場合も、同様の方法で正常に表示される。
覚えきれないよという人も安心してください。これらについては画面で確認できます。
手書きで練習してきた身としてはついカンマを入力したくなりますが、その必要はありません。
桁数に注意して、テンキーで数字を入力します。
3つ目の不具合については、幸い私が使ったパソコンでは発生しませんでした。
ただ、こういうことがあるんだということを知らずに不具合にあたると相当焦ると思いますので、頭の片隅に入れて落ち着いて対処しましょう。
ここまで確認が終わればいよいよ試験開始です。
スタートボタンをクリックすると問題が表示され、試験が始まります。
スタートすると同時に、制限時間60分のカウントダウンが始まります。
画面にはつねに残り時間を表示する時計が表示されます。
減り続ける時間を横目に見ながら問題を解き続けるのはなかなかのプレッシャーなんだよ。
簿記3級の試験問題は、選択式+入力式3題以内で構成されています。
私が受験したときには、1問目が大量の仕訳問題、2問目が補助簿に関する問題、3問目が精算表といった王道な出題でした。
この選択式というのは、仕訳問題の勘定科目をプルダウンから選ぶことを指しています。一方、入力式は各勘定科目の金額を数字で入力することを指します。
試験が始まってしまえばむずかしいことは考えず、ひとつでも多く正解できるように必死に問題を解きます。
パソコンの画面を見ながら問題を解くという形式に慣れるまでかなり時間がかかりました。
1問目の仕訳問題を解ききるまで、むずむずして落ち着かない感じだったと思います。
慣れないので、頭の中のもやもやをうまく整理することができないんです。「書く」って大事。
ふだんとは少し勝手がちがうので、「満点は取らなくていい」「合格点(70点)をとればいいんだ」と自分に言い聞かせながら問題を解いていきました。
「満点は取らなくていい」「合格点をとればいいんだ」というのは、口から出ていたと思います。とにかく必死でした。
自分を落ち着かせる一番いい方法は、解ける問題をさがしてていねいに解くことです。
1問目の仕訳問題といっても問題によって難易度はさまざまです。
じっくり考えないとわからない問題もありますが、半分くらいは寝てても解けるような簡単な問題です。
AIよ、ありがとう!
そういう問題を1問、また1問と積み上げていくと徐々に落ち着いてきます。
とにかく60分なんてあっという間です。
当たり前ですが解ける問題しか解けません。
試験対策が完璧にできている人はほとんどいないと思います。
自分の実力・理解では解けない問題は解けないんです。
解けない問題に時間を浪費してはいけません。解ける問題に時間を割きましょう。
後半の問題のほうが簡単ということめずらしくありません。
試験時間の60分が終わると回答を入力できなくなります。
ペーパー形式のテストでいう「時間になりました。解答をやめて筆記用具をおいてください。」みたいな状態になるわけです。
ジタバタしても仕方ありませんので、画面の指示に従って先に進みます。
制限時間終了後
試験が終わるとすぐに採点です。
ネット試験の真骨頂です。その場で合否がわかります。
合格発表の日を指折り数えるといった情緒はまったくありません。
その場で受け取る結果はこんな感じの事務的なものです。
試験終了後に画面に表示される指示に従い、「結果を印刷する」をえらぶと受付のプリンタで結果が印刷されます。
荷物をまとめて試験会場から出ると、受付の方からプリントアウトされた結果を受け取ることできます。
その時、試験前に貸与されたA4用紙2枚と書き心地の悪いボールペンを返却します。
試験中の時間はあっという間ですが、試験終了後の時間は一瞬です。
合格した実感がないままぼんやりとロッカーから荷物を引っ張り出し、身支度を整えたことをよく覚えています。
いわば放心状態なので、荷物の忘れ物がないか何度か確かめましたが、なんとなく上の空な感じでした。
会場を後にし、次の待ち合わせに向かう道中、じわじわ喜びが湧いてきたのと同時に、しばらく電卓触りたくないなぁという現実逃避の気分にもひたることになりました。
あのあと、家族でランチを食べたけど、ずっと子どもたちに自慢してたよね!
受験生へのアドバイス
ここまでが私の体験談です。
現場の雰囲気が伝わりましたでしょうか。
せっかくですので、この章では自分の経験をふまえて、受験生の皆さんにアドバイスをさせていただきます(おせっかい)。
ネット試験が最適解なのか?
ペーパー形式の試験は年3回、ネット試験はほぼいつでも受験することができるというのはすでに述べたとおりです。
一通り勉強が終わったので忘れてしまう前に受けてしまいたい、2級や1級も視野に入れているという人は、日程の融通が利くネット試験をどんどん受験するのがいいでしょう。
時間は最も貴重な資源のひとつです。
ペーパー形式の試験にこだわって時間を失うくらいであれば、ネット試験がおすすめです。
不安だからという理由で、受験日を決めかねている人は腕だめしのつもりでネット試験を受けてみることをおすすめします。
その不安は、多少小さくなっても消えることはありません。それであれば、合格する可能性もあり、失敗しても得るものが大きい本番を経験してみましょう。
受験料もそれほど高くはありません。2冊めのテキストや問題集を買ったり、カフェで勉強する飲み物代が出せるのであれば、受験料にあてたほうが効果的です。
ただ、のんびり受験したい、いいタイミングでペーパー形式の試験が控えている、ペーパー形式の試験のほうが馴染み深いというひとは無理にネット試験を受けなくてもいいでしょう。
問題用紙に書き込みをしながら問題を解けるというメリットからすると、ペーパー形式のほうがテスト環境に慣れるまでの時間は短くてすみます。ふだんの勉強でも、ネット試験対策をする必要もなくなります。
私とおなじ40歳を超える世代の受験生は、ペーパー形式のほうがシンプルにやりやすいと思います。
3級はまだしも、2級や1級の難しい問題は、ネット試験では対処できないんじゃないかと個人的には思ってます。
学習の準備
これまでくり返し述べていますが、ネット試験は問題用紙に書き込みができない点が特殊です。
A4用紙(2枚)に書き込みをすることはできますが、やはり問題用紙に直接書き込みをするのとはちがいます。
問題用紙からメモ用紙に目線を移動させるときに、思考がいったん途切れてしまう感覚があるんです。
時間にすると一瞬ですが、その一瞬が大きいんです。
答えを出すために考えたいんですが、一瞬暗記することに脳の容量を奪われてしまうんです。
ここまで説明をしていていうのもなんですが、一度ためしてみてください。
きっとフル回転させるべき脳みそがスピードダウンしてしまう感覚がわかっていただけると思います。
問題の解きにくさがある以上、受験生としては対策しないわけにはいきません。
試すとしたらこんな方法がいいと思います。
まず、電子媒体の問題を用意し、モニターに映します。
クレアールの教材は電子媒体でも提供されているので、すごく便利です。
簿記3級(日商簿記検定)の試験対策にクレアールの教材をえらんだ理由モニターは外部モニターがベストですが、なければノートパソコンのディスプレイでもかまいません。
電子媒体の問題がなければ、問題用紙を壁に貼ったり、画面に立て掛けたりして本番と似た環境を作ります。
次に、手元にメモ用紙、ボールペン、電卓を用意します。
準備はこれで完了です。
この状態で問題を解いていきます。
この環境であれば、問題に書き込みはできません。
おおよその時間を設定した上で問題を解く練習をするんです。
めちゃくちゃ解きにくいですよ!
けど、所詮、慣れの問題ですので、何度か繰り返せば、どんなふうにメモを残せばスムーズに解けるようになるのかわかるようになるはずです。
一発合格を目指す人は、やっておいて損はない、むしろやっておくべき対策だと思います。
荷物の準備
最後は当日の荷物の準備についてです。
荷物は余計なものを持っていかない。それに尽きます。
受験に必要なものは、次のふたつだけです。
- 身分証明書
- 電卓
受付で手続きができて、試験会場で使う電卓があればそれで十分です。
直前に見直したい気持ちはわからなくもないですが、ネット試験の会場はちょっとしたビルの1室であることが多いので自習する場所はないと考えたほうがいいでしょう。
それよりも少しでもリラックスした状態で受験できるように重たい荷物をもって移動して体力を消耗することを避けたほうがいいです。
テストが終わった後のご褒美を何にするか?といったことを妄想しながらすごしてください。
それでもどうしても不安だという人はテキストを持っていってもいいでしょう。
ただ、その場合も精神安定剤としてのお守りくらいに考えて持っていくことをおすすめします。
試験会場で復習という名の勉強には使わないほうがいいでしょう。
テスト直前に見たところが出題されて命拾いしたという話をよく聞きます。
たしかにそういうこともあるかもしれません。
しかし、それ以上に苦手な分野、わかっていない分野を目にして不安がましてしまったという人もいるはずです。
語られないだけでそういう人のほうが多いんじゃないでしょうか。
直前にバタバタする時点で、落ち着いた精神状態とは言えません。
もう大丈夫です。完璧とは言えないまでも合格するために必要な勉強はしてきたはずです。
解ける問題は解ける。解けない問題は解けない。
解ける問題をさがしてていねいに解く。
ふわふわする気持ちを鎮めて、合格点を取ることだけに集中しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
謎多きネット試験について、少しでも具体的なイメージをもっていただけたらうれしいです。
なんでもそうですが、見えないものは不安です。こわいです。
たちの悪いことに不安はどんどん大きくなっていきます。
簿記3級という新しいことに挑戦するのですから、不安があるのは当たり前です。
不安をなくすことはできませんが、減らすことならできます。
そのためには、ネット試験についてより多くのことを知っていただき、対策を立ててください。
私たち受験生がすべきことは、いたずらに不安になることではなく、正しくおそれて準備をすることです。
長く孤独な受験生活、どんな教材を使って、どんな勉強をすればいいかについて不安を減らしたい方は、きっとこちらの記事が参考になります。
簿記3級(日商簿記検定)の試験対策にクレアールの教材をえらんだ理由 簿記3級(日商簿記検定)に合格するための勉強法〜教材・時間管理・勉強道具簿記3級に合格してから生活が一変したというのは嘘です。
どちらかというと合格前とあまりかわらない生活が続いています。
それでも、これまでまったく読む気がしなかったマンションの事業報告や収支決算報告を読んだりしています。
読めちゃうんです。理解できちゃうんです。
ちょっとした変化ですが、この手の書類が読めることによって触れることのできる世界はとても広い気がします。
この「読める(かも)」という感覚はきわめて大事だと思ってます。
これまで無意識にシャットアウトしていた情報に目を向けるわけですから、マイナスからプラスマイナスゼロへの変化ではなく、マイナスからプラスへの変化です。
3級合格まであとすこしです。
こっちの世界で待ってます!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。CAMPION(Follow @beautifulrice1)でした。