散歩がみちびく明るい社会

#VIVOBAREFOOT

散歩が好きだ。

松浦弥太郎さんのエッセイを読んでから、ますます好きになった。散歩には、実にさまざまな効用がある。その効用が波状攻撃をしかけてきて、プラスのスパイラルに巻き込まれている。

散歩の効用

効用のいくつかを挙げてみよう。

「頭のモヤモヤがすっきりする」「からだのコリがほぐれる」「ごはんをおいしいと感じるようになる」「間食が減る」「よく眠れる」

少し考えるだけでもこれだけある。次から次へと出てくる。しかも、ほとんどお金がかからないのも庶民にはうれしい。

モヤモヤについて、仕事の場面で考えてみる。

むずかしいタスクがあったとする。どうやって突破するか、糸口が見つからない。そんな時には、タスクを頭の中に入れて、10分くらい散歩をするのだ。そうすると不思議と突破口が見つかったりする。

プライベートのモヤモヤについてはどうか。

これも同じようにひらめきのようなものがわいてくることが多い。ひらめきがわいたらしめたもの。家にもどって解決策を実行すればいい。こんなことをくり返していると、机の前でうんうんうなって考える時間が減ってくる。浮いた時間で、自分がワクワクすることを始めてみようという前向きな気持ちになるのだ。

味覚に与える影響についてもみてみよう。

散歩をするとごはんがおいしく感じられるようになる。理由はよくわからない。「腹ごなし」とはよくいったものだなぁと思う。からだを動かすことで血のめぐりがよくなり、動物らしさがもどってくるのかもしれない。

外食で味わうわかりやすいおいしさではなく、家庭料理のシンプルで素朴な味をおいしいと感じるようになる。味覚が鋭くなっているのだろう。食事をおいしく食べることができれば、満足感があり、不用意に間食を食べることが少なくなる。「間食しないように必死にがまんする」というよりは、「間食を食べたいと思わなくなる」というのが実感に近い。

こうなるとだんだんからだが軽くなってくる。数字で表される体重ではなく、体感的にからだが浄化されて身軽になる感覚だ。もちろん数字の体重にも変化は見られる。この感覚を味わうようになると数字のことはまったく気にならなくなる。放っておいても自分のそのときのベスト体重に近づいていく。

ちまたで聞くダイエットの話は、この点に関する配慮が大きく足りてないと感じる。食べる量、質、時間など、「食べることだけ」を制限する方向で解決しようとするのでうまくいかないのだ。人間の動物としての本能への配慮が足りない。一時的にダイエットの気分が高まっても、食べたくなれば食べてしまう。食べたい気持ちを理性で抑え込むなんてできるはずがないのだ。ハイカロリーなものを食べたくなくなるように、食以外のところで手を打つべきなのだと思う。散歩はいいぞと言いたい。

プラスのスパイラルに入ると、笑う機会が自然と増えてくる。スピリチュアルな話ではなく、自分のからだの調子がいいので、まわりに対してもやさしい気持ちになれるのだ。これが家族、会社、社会、世界へと広がっていけば多くの社会問題は解決してしまうのではないか、ととてつもない可能性を感じる。結構、まじめにそう思っている。

散歩の習慣化

散歩の効用をめいっぱい感じるには継続が必要だ。歯磨きと同じように、「しないと気持ちが悪い」と感じるくらい習慣にしてしまいたい。私の場合、すでに習慣になっているので散歩に出かけるときはほとんど無意識だ。けれど、そんな私にも散歩が習慣化していない時期があったわけで、当時のことを思い出してみる。

「散歩に出かけるハードルを下げる」これに尽きると思う。何かを習慣にしようとした時に一番大事なのはハードルを下げることなんだと思う。これは勉強でも同じ。散歩の場合にどうするのかについて、私からの提案は以下の3つだ。

時間を決める

ひとつめは散歩する時間を決めることだ。これは習慣になるまでの時限的なものでいい。

起床後、ランチ後、夕食前など時間を決めてスケジュールに組み込んでおくのがいい。はじめはそれくらいの強制力を持って散歩を取り入れないと散歩自体をすることがむずかしい。散歩をしてみないことには効用を実感することができないので、まずはためしてほしい。1日1回でも散歩に出かける時間を作っておくことで、義務としての散歩から解放される日が来るだろう。そうすれば、散歩に対する心理的なハードルがなくなるはずだ。

機能性の高い道具をもつ

今のアウトドア用品の機能性については驚くばかりだ。8月に山キャンプを始めて以来、モンベルを中心としてアウトドア製品がどっと家に押し寄せてきた。山キャンプの時にだけ使うのはもったいないとふだんの生活にも使うようになったのだが、快適この上ない。晴れた日に散歩に行くのはごくごく日常のことであったが、雨が降っていても、寒くても、散歩に出かけるのがまったく苦ではなくなった。気分が上がる見た目重視のウェアもいいけれど、機能性にも配慮したアイテムをそろえていくと、天候のハードルがさがり、さらに散歩が身近になるはずだ。

道具の配置

散歩のたびにいろいろな道具をクローゼットから引っ張り出してきていたのでは、ふらっと散歩に出かけることはできない。気が向いた時に散歩に出かけるには、お散歩セットをあらかじめ用意しておくといい。そうすることで準備のハードルがなくなる。私の場合も、玄関への動線上にお散歩グッズを用意し、着替えや荷物の準備をしながら玄関まで歩いていくと、散歩の順が整うようにしている。

さて今日もいい天気。仕事が一区切りついたら散歩に出かけるとしよう。