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「敵を知り己を知れば百戦危うからず」(孫子)という教えがあります。
敵や味方の状況をしっかり把握していれば、いくら戦っても負けないという意味です。
ところが、状況を把握するのは意外と難しかったりします。特に、自分自身のことはわかっているようでわかっていないことが多いはず。
人間には個々の性格や特徴の前に人間の脳として持っているクセがあります。
そのクセを知っているのと知らないのでは、状況を把握する上で大きな違いがあります。
そんな脳のクセを身近なテーマで理解することができるおすすめの3冊をご紹介します。
パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学(池谷裕二)
一言でいうと
脳のクセのおもしろさと根深さを知ることができる一冊。
脳研究者である著者自身の子育てを通じて、人間の脳のクセがいつどんなかたちで現れるのかを書いてます。
平たく言ってしまえば、子育てあるあるのような内容ですが、脳研究者としての視点がいたるところに散りばめられています。
生まれて2、3歳の時点でいろんなクセが表に出てくるんだから、大人になった私たちがちょと気をつけただけでそのクセから逃れることなんてできるわけがありません。
池谷先生は最先端の研究をされている脳研究者でありながら、一般人にも理解できるようにかみ砕いて説明してくれています。
先生のご著書は、この本に限らずどれも一般人に親切です。
小さなお子さんがいらっしゃるパパやママにおすすめできる一冊です。
FACTFULNESS(ファクトフルネス)(ハンス・ロスリング)
一言でいうと
過剰な不安や誤解に基づく軋轢から解放してくれる世界平和な一冊。
マイクロソフトのビル・ゲイツが賞賛したことでも有名な本。
10個の思い込みを事例とともクイズ形式で紹介してくれています。
我々が抱く印象と実際のデータの間にどれほど大きな乖離があるのかをクイズに回答するたびに思い知らされます。
自分だけではなく、ほとんど全ての人が偏った極端な世界の見方をしていることがよくわかります。
10個の思い込みを意識するだけで、世界の見え方、人に対する接し方が大きく変わる一冊です。
2019年、特に話題になった本でもあるのでビジネスパーソンにおすすめです。
影響力の武器(ロバート・B・チャイルディーニ)
一言でいうと
クセが悪用されている現実を突きつけられ背筋が凍る一冊。
返報性のルールやコントラストの原理など、知らず知らずのうちに一定の行動をとってしまう人間のクセについて、豊富な実験結果とともに説明されています。
どのルールも強力なものばかり。強力すぎて、もはや防ぐのは不可能ではないかとあきらめモード。
持てる者と持たざる者の境界線はここにあるんだ!と社会のからくりに気づくことができました。
このカラクリを利用するかどうかは別にして、知らないというだけでカモにされてしまうのは悲しくないですか?
ついつい欲しくないものを買ってしまう私のような買い物下手の方におすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
脳に関する小難しい本は、専門家の先生にお任せしましょう。
脳のクセといった少し難しいテーマではありますが、どの本も一般の読者に寄り添うようにやさしく解説をしてくれています。
身近な事例が豊富で文系の私にもわかりやすい内容になっていました。
学問的関心に答えるという意味もありますが、読み物としてもとても面白い作品ばかりです。
「あるある」と共感する回数は数え切れません。
脳のクセを知らないがために、必要以上に悩んだり、余分なお金を払ったりするのはやめにしませんか。
こころ穏やかに暮らすためにもぜひ1冊でもお手に取っていただけたらうれしいです。
パパやママへ
ビジネスパーソンへ
買い物が苦手な方へ
ほかに私が読んだ本
脳のクセに関する本以外に私が読んだ本を一覧にしています。ぜひご覧ください。