現実の裏側を想像し、そこにある不条理にスポットライトを当て、解決策を探し続ける行動力に満ちあふれているのが著者の合田真さんでした。
一言でいうと
描いている世界のちがいに圧倒される一冊。
アフリカの地から見る20億人の未来銀行
見渡す視線の先
合田さんに限らず、事業を通して社会のあり方をよりよくしようと頑張っておられる方はとにかくスケールが大きいと感じます。
日本ではなく地球を単位に考える空間的なスケール、現在の制度の成り立ちを知るために1,000年単位で歴史を遡る時間的なスケールなど見ている範囲が違うのです。
自らの原動力の一つとして、人類の未来に対する責任の大きさといったお話も出てきて、私の普段の仕事の悩みを口にするのが恥ずかしくなってしまうほどです。
原体験
合田さんもいきなり今の境地にたどり着いたわけではなく、他の方と同じようにきっかけとなる原体験があったそうです。
大学時代に訪れたペルーで出くわしたお菓子売りの少女の話です。
詳細は、実際にご覧いただくとして、こういった出来事からいろいろなことに思いを馳せ、
自分の人生の軌道修正をしていくなんて、私の学生時代を考えるととてもできなかったと思います。
「戦前の大金持ち」(出口治明著)でも、その人の原体験がその後の偉業につながったケースを見ることができ、日々の体験を味わう心のゆとりが重要性を痛感します。
” data-image-caption=”戦前の大金持ち 出口治明著
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事業を始められてからもいろいろな日本の非常識に出くわします。
どれも日本で暮らしているだけではほとんど意識しないようなことばかりです。
通貨の序列、複利と戦争のつながり、ユダヤ教にある49年周期の財産返還の習慣、村人たちの計算能力の低さなどなど。
これらをトリビアとして終わらせるのではなく、解決すべき問題、解決策のヒント、事業継続のパッションに変えて突き進んでいく様子にはとても頼もしさを感じます。
もうダメかなと思うような場面でも、社会を変えようとする強い思い、シリコンバレーのアクセラレーターのアドバイスなどを参考に乗り越えていきます。
そんな時代を経て、今ではちょっとした悟りの境地とも言えるようなトラブルを楽しむ余裕すら感じさせます。
日本への横展開
東北地方を例に、日本の地方都市も途上国と似た状況にあるということも述べられており、ローカルベンチャー 地域にはビジネスの可能性があふれている(牧大介著)とも通じるところがあります。
こう見ると、合田さん、出口さん、牧さんいずれも京大にゆかりのある方々です。
不思議ですね。
私が読んだ本
本書以外に私が読んだ本を一覧にしています。ぜひご覧ください。