【感想】「SHOE DOG(シュードッグ)」(フィル・ナイト:東洋経済新報社)

シュードッグ

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本書を読んだきっかけは、佐々木俊尚さんによるご紹介でした。

一言でいうと

無性にランニングしたくなる一冊。

ランニングをかじったことがある人にはツボなはず

純粋に読みものとしてとても面白い作品でした。

外国の翻訳本で、面白いかどうかの目安はたくさん出てくる登場人物を頭の中で整理できるかどうかです。

カタカナの名前は耳馴染みがないため、なかなか頭に入ってきません。

海外の方の顔と名前が一致しないのは、脳の構造、環境上しかたのないことだそうです。

「第一印象の科学」でもそのように説明されていました。

第一印象の科学の感想

第一印象の科学 【感想】「第一印象の科学」(アレクサンダー・トドロフ:みすず書房)

内容が整理できていない本の場合には、何度も何度も人物相関図に戻って登場人物を把握し直す必要があります。

一方、内容が整理されていて、読み物として面白い本は登場人物を再確認する必要がなく、どんどん読み進めていることができます。

本書はそのうちの後者でした。

創業者はつねにパンクなのか

この本を読んで真っ先に思い出したのが、ビジネス・フォー・パンクス。

ブリュードッグの創業者であるジェームス・ワットが書いた本。

2人ともしつこいことと会計の勉強をしていることが共通している。

まぁとにかくしつこいことといったらありません。

我々凡人は努力の絶対量が足りないんですね。

身近な成功者に話を聞いてみると、「ちょっとやってみたら?」というちょっとのケタがちがうことが多い。

本を10冊くらい読んで、100回くらい練習すればなんとかなるんじゃない?くらいのノリなので、その数すごくない!?と思うことがしばしば。

興味が向く先がビールなのか、靴なのかというちがいがあるだけでお二人はとてもよく似ていました。

傍から見ると少しぶっ飛んだようなマインドがないと新しい企業を立ち上げてビジネスとして成功させることはできないのかもしれません。

細かな記録

それにしても、よくもまぁこの長い歴史をこれほどまでに細かく書き起こすことができたものだと感心してしまいました。

想像するに、今のようなブログなんてあるわけもなく、単に上に起こった出来事を書き残していくぐらいしか、記録の残し方がなかったのかもしれません。

ここまでこと細かく当時の様子を書き表わすことができるのは、マメに筆者が記録を取っていたからだと感じます。

当時の様子を細かく書き残しているメンバーがいたとはいえ、50年近くの歴史をこれほどまでに細かくかき上げるのは、そんじょそこらのメモではできることではありません。

恵まれた家庭

この著者も教育に熱心で、教育にお金をかけられる家庭の出身でした。

チャールズ・ダーウィンとも似たところがあります。

大学を出た後、親の援助で世界一周旅行もできるなんて、とても恵まれていると思います。

今は多くの人々が生活に必要な最低限の資本を持つことができているので著者が行った、世界一周旅行で得た経験というのが相対的にインパクトが低くなっているとは思います。

当時は生活水準が今ほど高くなかったので、こういったアドバンテージは今よりももっと大きかったのではないでしょうか。

私が読んだ本

本書以外に私が読んだ本を一覧にしています。ぜひご覧ください。

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